作家・東峰夫 公式ブログ

東 峰夫 小説家。第33回文學界新人賞受賞、第66回芥川賞受賞。 著書: オキナワの少年(1972) 、ちゅらかあぎ(1976)、大きな鳩の影(1981) 、ママはノースカロライナにいる(2003) 、貧の達人(2004)、『現代の神話シリーズ』執筆中

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

天から町がふってくる

もしも天から町がふってくるとしたら、どういうことになるであろうか?「バカバカしい。そんなことありえないだろ?」と誰もがいうに違いない。「何? 天から町がふってくるだと? 愚にもつかないことだ」と嘲笑する者もいるであろう。しかしながらヨハネの…

果樹と[果物]

《野生の樹木から、よい実を結ぶよい木を選んで、精神の畑地に植えて、手塩にかけて改良したのが学識果樹である。その果樹の成果を[真実]という。真実が現実に優るのはいうまでもない。じっさい現実の成果は酸っぱかったり渋かったり、時には虫食いだったり…

大豆と[忠実]

大豆は忠実(まめ)。健康で丈夫という意味である。それはよいことだが、ただし誰に対して忠実なのか? ということに関しては問われてしかるべきであろう。 ・・・ (かつては自分も父といっしょにカーペンターとして基地内で働いた。けれども頭上を戦闘機や爆…

麦と[誠実]

(良識というのは、野の知識の草から、良いのを選んで精神土壌の田畑に植えつけ、手塩にかけて改良して作った物=作物である。米や麦や豆がそれに相当する。ゆえに米には篤実という意味があり、麦には誠実という意味があり、豆にも忠実という意味がある。 「…