作家・東峰夫 公式ブログ

東 峰夫 小説家。第33回文學界新人賞受賞、第66回芥川賞受賞。 著書: オキナワの少年(1972) 、ちゅらかあぎ(1976)、大きな鳩の影(1981) 、ママはノースカロライナにいる(2003) 、貧の達人(2004)、『現代の神話シリーズ』執筆中

麦と[誠実]

(良識というのは、野の知識の草から、良いのを選んで精神土壌の田畑に植えつけ、手塩にかけて改良して作った物=作物である。米や麦や豆がそれに相当する。ゆえに米には篤実という意味があり、麦には誠実という意味があり、豆にも忠実という意味がある。

「そんなのはコジツケだ。米や麦や豆に意味なんかあるものか!」という者がいたら、それこそがヒト科動物であろう。耳目はもっているけど、聞くことも見ることもできない輩だからだ。良識の作物と野山の雑草の識別ができないでは、そうなってしまうのだ)

~ 『奥村にて』真実の成果について(執筆中)より~