作家・東峰夫 公式ブログ

東 峰夫 小説家。第33回文學界新人賞受賞、第66回芥川賞受賞。 著書: オキナワの少年(1972) 、ちゅらかあぎ(1976)、大きな鳩の影(1981) 、ママはノースカロライナにいる(2003) 、貧の達人(2004)、『現代の神話シリーズ』執筆中

かつてぼくは羊だった

 そう、かつてぼくは羊だった。フカフカの体毛におおわれた白いヒツジ。メェーと鳴くあれだ。これから羊だった頃の思い出を記憶の中から引っぱり出して話そうと思う。記憶の中には、あの頃のさまざまな体験がつまっている。細切れの体験だが、ちゃんと保管されているので、なんの疑いもない。それをつなぎあわせたら、かなり長い実在的(リアル)な物語となるであろう…

~①現代の神話シリーズ 『かつてぼくは羊だった』(執筆中)より~